ADASモジュールの中身とは

May 22, 2020 in Semiconductor Story by Prasad Dhond
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ゆっくりと動いている車を運転しながら、あなたはチラリと携帯電話に目を落とします。あなたは前の車がブレーキをかけたことに気づかず、新しいメールを読み始めます。間一髪、あなたの車は警告音を鳴らすとともに警告灯を点滅させます。あなたは顔を上げてブレーキを踏み込みます。うわぁ! 危なかった。。。こんなことが起こった場合には、あなたの車のレーダーとカメラモジュールの活躍に感謝してください。

コンシューマーレポーツ誌の調査によると、回答者のうち大多数(57%)は、自分の車が最低でも1つの先進運転支援機能を搭載していて、衝突事故に巻き込まれないようになっていると回答したと報告しています。

先進運転支援システム(ADAS)の用語には紛らわしいアルファベットがたくさんあります。ACC、AEB、LKA、LDWなど。。。National Safety Council、 J.D. Power、AAAおよびコンシューマーレポーツは、これらのADAS機能について共通のネーミングを定めました。ADASは、以下の2020年米国におけるトヨタ車の機能表にあるように、多くの車に標準装備されるようになりました。

これらの機能には規制により義務付けられているものもありますが、自動車メーカーがより良い安全性評価を得るために装備している機能もあります。

2016年以降の自動車のフロントガラスを見ると、カメラが付いているのがわかります。これは車の正面を写すADASのカメラです。

正面を写す全カメラは、実装されている機能によってバリエーションがあります。そのうちのいくつかをご紹介します。

CES 2019で、 Intelは、 2019モデルのBMW X5がMobilEye EyeQ4を搭載したTriFocalカメラ(3眼カメラ)を採用すると発表しました。

カメラを一つ開けてみましょう。ZF S-Cam 3のような単焦点カメラでは、MobilEye EyeQ3プロセッサを搭載したプロセッサボードと、オン・セミコンダクターのCMOSイメージセンサーを搭載したイメージセンサーボードの2つの主要なコンポーネントが確認できます。

別の構成例では、車両の周りに複数のカメラを使用して情報を制御モジュールに供給しています。テスラのモデル3では、車の周りに8つのカメラがあり、ダッシュボードの下にあるADAS制御モジュールに情報が伝達されます。

テスラのADASコントロールボードは、長年にわたって進化してきました。HW 3.0と呼ばれる最新バージョンは、テスラが設計し、サムスンが製造した2つのSOCを使用しています。このボードには多くの半導体が搭載されています。IHSの分析によると、TeslaのHW 2.5のボードには520ドル程度の半導体が使われているということです。

カメラシステムのもう一つの重要なコンポーネントは、CMOSイメージセンサー(CIS)です。車載向けカメラモジュールの多くは、On Semi製の画像センサを使用しています。2014年、On Semiは自動車向けCISで確固たる地位を築いていたAptinaを買収しました。

もう一つの重要なADASの機能は、ブラインドスポット(死角)の検出です。車のリアバンパーにあるレーダーモジュールがこの機能を可能にします。

車の前面にも一つレーダーモジュールがあります。アダプティブクルーズコントロール(車間距離制御装置)と自動緊急ブレーキに対応した長距離レーダーモジュールです。これは車のフロントグリルやフロントバンパーに搭載されています。

各レーダーモジュールには、プロセッサを搭載したメインボードと、PCB上にレーダーチップセットとアンテナを搭載したアンテナボードの2つのボードがあります。

数年前までは、自動車の半導体部品にはほとんどがワイヤボンドパッケージが使用されていました。ワイヤボンドが自動車用パッケージの主流であり続ける一方で、ADASモジュールでは、フリップチップBGA(FCBGA)、低密度ファンアウト(LDFO)、フリップチップCSP(fcCSP)などの先進的なパッケージを使用するケースが増えています。

総じて言うと、ADASの主要な機能は車内のわずか2つのシステムで実現されていると言えます。

  1. まず、カメラシステムです。画像を取得するCMOSイメージセンサと、データを処理するプロセッサから構成されます。プロセッサには、多くの場合FCBGAパッケージが使用されています。
  2. 次に、レーダーシステムです。車には通常3つのレーダーモジュールが搭載されています。リアバンパーに2つ、フロントグリルに1つ。各モジュールは、レーダー信号を送受信するトランシーバーと、それを処理するプロセッサで構成されています。レーダートランシーバーはLDFOにパッケージされていたり、時にはfcCSPも採用されています。

それだけです。しかし、これが車の安全性に大きな違いをもたらします。

免責事項:このブログ記事に記載されているすべての意見は、あくまでも私自身の筆責です。

著者:

Prasad Dhond
車載製品担当 VP and General Manager
Amkor Technology, Inc.

2014年Amkor入社、Amkorの自動車市場セグメントVPを務める。QuadとDual Leadframeの製品ラインを管理を経験。Amkor入社前、12年間Texas Instrumentsに勤務、アナログ製品グループでプロダクトおよびマーケティングを担当。テキサス大学オースティン校BSEE学位、サザン・メソジスト大学MBA取得。