ICパッケージイラストレーション—2Dから3Dへ—
半導体とは何か、5文字以内で説明できますか?ある人はコンピュータチップと言うかもしれないし、別の人は「スペースマジック」と言うかもしれません。もっと言うと、ある人はこの言葉を聞いたことがなく、単に "わからない "と言うかもしれません。リアルなパッケージイラストを制作する3Dイラストレーターとして入社したATJでインターンシップを始める前、私は確かに後者、”わからない”と言う集団に属していました。3年経った今、半導体は "世界をつなぐデバイス "だと自信を持って言えるようになりました。
インターネット上には、パッケージの形状と機能について、そしてサブストレート、チップ、コンポーネントなどがどのように積み重ねられているかについて充分に詳しく説明する半導体のイラストが、数多く存在することもよく知られているところです。とはいえ、多くの場合、これらのイラストはPowerPointとかWordを使用して描かれたもの(図1)で、そうすると、使用するソフトウエアの機能セットに限界があるため、仕上がりが大雑把だったり、なめらかさがなかったり、あるいは縮尺が正しくなかったりします。そればかりでなく、画像の切り取りや再共有が繰り返し行われる場合には、それが圧縮されたり、品質が低下したりする傾向があります。これにより、アーティストやエンジニアが伝えたかった本来のメッセージが、その詳細部分を失ってしまうのです。お客様や同僚に対して、しっかりしたコンセプトを伝えるために、パッケージのイラストを使用する場合には、その正確さ、リアルさ、そして品質について、妥協の余地は存在しません。
図1:M.2モジュールPowerPointによる断面図
自身のインターンシープを通して、私は、サブストレート、誘電体、はんだマスク、ビア、チップ、ワイヤーボンドその他、半導体パッケージの中にあると思われるすべての物を描くのに、Dassault Systèmesのコンピュータ設計支援(CAD)ソフトウェアであるSOLIDWORKSを使用していました。この画像も、当初は平坦かつブロックのようなものでしたが、現在では、お客様やエンジニアが意味を解釈できるだけの、深みと等尺性が与えられています。パッケージのイラストレーションを真にここまで引き上げた要因は、このプログラムにネイティブに組み込まれている材料データベースです。これにより、はんだマスクはポリマー的なグリーンに、ワイヤーボンドはゴールドやシルバー、さらにはエポキシにより表現でき、またアンダーフィルでは粘性を表現できます。この利用方法には限りがなく、また、リアルな描写としてファイルをエクスポートできる機能は、これらを他のツールから一線を画するものとしています。
図2:M.2モジュール、SOLIDWORKSによる3D等尺レンダリング
現在、パッケージイラストを描き直すことは、私の業務上の重要な部分になっています。そして、私の半導体パッケージに関する知識が増えるほど、作成するイラストはより精密なものとなり、Amkorに対しても、より細密な情報が自由に使用できる状態を提供しています。断面図の描画、内部を表現した3Dによる等尺パッケージ(図2)の作成、さらには、エンジニアの指導の下に新たなパッケージコンセプトを生み出すことなどは、私がこれまでサポートする機会を与えられてきた、このAmkorのブランドにとっての要なのです。私はこの職務で、お客様やエンジニアが半導体パッケージのコンセプトを、少しでも良く掴むための助けとなる機会を与えられた事に感謝しています。
著者
Tyler DeHaanは、2020年にAmkorに入社しました。現在はR&Dデザインセンターのデザインエンジニアとして、複雑で詳細な、2Dおよび3DのICパッケージイラストの作成にあたっています。彼は以前、Amkorのマーケティングコミュニケーション部門のインターンとして3Dイラストレーターを務めていました。DeHaanは、アリゾナ州立大学の機械工学科の学士号を取得しています。